２０１０・夏のDO 序章

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10/08/04 06:36

自転車旅行。それは、その名の通り、自転車であちこちを走り回る旅。
サイクリングともちょっと違う、ロードレースともちょっと違う。
自転車旅行と言う独特の時間軸がそこにはあります。
「これだ！」と呼ばれる決まりは無く、それぞれにスタイルがある。
私の自転車旅行は、キャンプ道具を担ぎ、食材も持ち、どこでもキャンプしながら進んでいく。
そんな１日、１日はゆったり過ぎ、朝は早く、日が沈むと終わる。
時には風の音に一喜一憂。静かな水面に時間を忘れて数日を過ごしたり。
ペダルをこぐと見えてくる景色に一瞬の清涼を得て、また、先の世界を見たくなる。
そんな魅力にとり付かれた私は、休みの季節になると、体のどこからとも無くムズムズと湧き出てくる。

海の日が連なる７月の３連休。
この日を境に東京は梅雨が開け、猛烈な太陽が降り注ぐようになっていた。

夏日から、猛暑日へ。おそるべし、天下の情勢…。
日陰を探して歩き、歩くスピードも自然とゆっくりになる。
そんな夏がまたやってきたのか…。

私は悩んでいた。また今年も、またこの季節も、自転車ツーリングしてしまうのか…。
なにかがムズムズ湧き出してくる感覚を感じながら、これは、そろそろ来てしまったか。と…。
懲りもせず走るなら、そろそろ計画を…。既にあと１ヶ月…。

そんな昼休み。不意に見た、北海道行きフェリーの空席状況。☆マークが並ぶ。
「い、いける！？これに乗れば北海道に行けるのか！？」
この前のＧＷ。目の前で北海道行きのフェリーを見た。乗れたが、乗らなかった。
広がる大地の丘、延々と続く道。何も無く、そして空がある北の大地が頭に浮かんだが
少しの時間、考えて、あの時は南に行くべく、見送ったのだ。
あぁ、この時期じゃまだ寒いさと、その時は思った。あぁ、また行けばいいさと、その時は思った。
自転車をこいでもこいでも、変わらない感動。あまりにも広大な大地を、私はいつ走っただろうか。
そして、何よりもこの暑さから逃れるには、最高の場所だろう。
急激にテンションが上がる私。

「よし、北海道に行こう！！」

帰宅し、インターネット予約をしようかなぁ、と再度空席状況を再度チェック。
ぬぉっ。…と、ここで満席になってるなんてオチは無い。
でも、良く見ると「☆」マークは「空席待ち受付中」とある…。
「あ・れ？」
すっかり空席ありだと思い込んでいたが、大違い。
むぅ、やはり思いたっての北海道行きは辛いか…。
それでも、とりあえず空席待ちで登録。

運良く空席待ちが取れたら北海道行きプランで行こう。
駄目だったら…また、別のプランを考えようっと。

取れた場合の帰りのルートはどうしようかな…
北海道から帰るには、フェリーか、電車か、飛行機か…さすがに走って帰るのは難しいしなぁ。
電車だと、札幌から寝台特急北斗星かなぁ。青春１８切符で強引に青森あたりから帰るって手もある…。
飛行機だと空港選べば、比較的自由に色々行けるなぁ…。まだ、飛行機を使ったことないけど。
フェリーは取れるか不安が残る。
無難な所で電車だろうか…。もうちょっと考えよっと。

…数日後、メールが届き。「空席待ちの座席が確保できました」と！
おっ！い、いける！ぬぉ～～～。
一気に旅の気運が高まり始めた。
あとは、帰りの便だ！！

え～っと。電車だと北斗星かぁ…。
札幌発になると、かなり北海道内を色々と回れそうだなあ。
よし、で、空席は…。JR SYBER STATIONで調べる…。
あ、まだ発売前だ。１ヶ月前か。あと数日だなぁ。

１ヶ月前の１０時発券開始なので、その日の朝、ＪＲ緑の窓口で向かう。
窓口の開く朝７時に、並ぶ。既に４人くらい並んでいるが、並んで予約の紙を渡す。
これで、朝１０時に予約発券してくれるのだそうだ。
夕方、発券できたか確認に行く…「申し訳ありません。既に満席でした。」と、残念な結果。
『では、青森発のあけぼの号は空いてますか？』
「空席がありますね」
…お！ちょっと予想外だ。
『あ、じゃぁ、それでお願いします！！』
発券に手間取る係員に少しイラ付きながら、無事に発券。
おっし。これで、青森からの帰りの便は確保できたぞ。よしよし。

夏休みの丁度一ヶ月前。
行きのフェリーは、苫小牧まで。
帰りの電車は、青森から。

これでかなり盛り上がって来たぞー。

あとは荷物を準備。毎度ながら、荷物をチェックしながら…。
あ、そろそろ衣類圧縮袋がボロくなってきた。買いに行こう。
ふらふら、東急ハンズで衣類圧縮袋を買っておく。やっぱり新しいものはいい。
食料は、お約束の無印良品を漁っておくぞぉ。パスタソースなどを買い込みです。
テントよぉ～し、寝袋よぉ～し、服よぉ～し、食料よぉ～し、デジものよぉ～し。
基本は、自転車と衣食住、これさえあれば、問題なし。

行きと、帰りは決まったので、道中のルートを考えようっと。
地図を見ながら、、、う～ん。あっちにふらふら、こっちにふらふらかなぁ。
「北海道」って言ったって広い。とにかく広い。
どこでも行けるわけじゃない。行ける所はごくわずか。
それでも、あの大自然を堪能できたらいいなと思う。
夏休みの日数は限られる。それでも、普通の会社の夏休みよりは多いけれど…。
スタート地点は苫小牧、ゴール地点は青森なので、ルートは自然と道央～道南へと決まっている。
それでいて、どこに行こうかな…。ここで地図をみながら考えるのが実に楽しい。

途中をショートカットするようなルートは無いかなぁ…とか。
景色のよさそうなルートは無いかな～とか。
快適そうな宿泊地、キャンプ場は無いかな～とか。
この時期だから、花火は無いかな～とか。

あれこれ思いながら地図を見る。この地図が既に１０年も前だから最新状況をネットで見る。
ネット見てたら、新しい情報を得る。地図に書き込む。これのくり返し…。
そうしているうちに夜がすっかり遅くなる…。

そう、うと、うと…。ぐぅ…。

２０１０年の夏。暑い夏を避暑すべく、北の大地に向かいます。
ふいに思い立ち、やっぱり走り出してしまう。旅慣れた感漂うが、何が起こるかわからないからやっぱり楽しい。
自転車旅の聖地とも言うべき土地。北海道。いつからか、誰からか、そう呼ばれるようになる。
多くのライダー、チャリダーが走り、多くの出会いを呼ぶこの土地。
そして、なにより久しぶりに本格的に走る北海度。
あぁ、何とも楽しみだ。

10/08/10 07:05

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