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「乗船開始」

02/10/11 Fri
 
さんふらわ〜♪さんふらわ〜〜♪とかすかに何かが聞こえる船内。
そう、私はすでにさんふらわなるフェリー内にいる。
 
いつもと違う週末を背負った俺の背中は、人に気付かせる雰囲気を発しているようである。
「ん〜〜来週いつ休むのぉ〜〜〜？？」
そんな言葉を背に、会社を早々に退散す。帰りの電車よ止まってくれるなよ。
平和に家路につく。最後の事前準備、地元スーパーで2Lペットの水を買う。
荷物の準備は万端…のはずだが不安がいっぱい。
忘れ物はないかなぁ。忘れ物はないかなぁ…と心配病がとまらない。今更…
インターネットに最後の書き込み。「行ってきます。ほんじゃ、さいなら」
自分の部屋にしばしの別れ。ぱちりと部屋の電気は消えた。
 
しばらくしハイエースが現れる。
私とチャリをフェリーターミナルまで運んでくれるありがたぼぼ様ファミリーである。
さすがにハイエース。難無くチャリを積み込む。さすが。セレナよりも余裕。
ハイエースには何故か赤ちゃんが乗っている。寝ている、子連れハイエースぼぼファミリー。
高速道路常磐道をひた走る。久しぶりの高速、そしてなれない車の助手席に緊張。
都会の雑踏はしだいに静かな光りに変わる。
高速道路はあっと言う間に、まわりの景色を変えていく。
 
またも、忘れ物心配病が発生。あれ乗せたかなぁ。あれ持ったかなぁ。
前を走行するプリマハムを見つめながら、しばしの思考。
まぁ、無ければ無いでどっかで買えばよいだけの話しなのだがな。今更であるよ…自分よ…。
そういいつつも、心配であり、この先の道がいまいちどっかで分岐するのにどこだか解らない。
よって、サービスエリアに寄ることにする。結構時間も気にしているが、道を間違えたらそれまでだ。
友部サービスエリア。地図見る…と、地図の前にたむろう外人集団…み、見えない…
そんなに、俺の行く手を阻みたいのか…神よ…。
少しサービスエリアを散歩し戻ると、外人消える。無事、地図を見る。
この先すぐに分岐があることを知る。分岐を曲がらないといけないのよねん。
よっしゃ行くか〜。はやる心を抑えるように、赤ちゃんは無邪気に俺を見つめる。
こ奴、俺をじっと見つめたまま。こちらも動けない…よなぁ。
『あばばばばばぁ〜〜〜』
さ、あんまし遊んでもいられない。先に行こう行こう。
常磐道から、なんとか道に曲がり、そのまま東水戸道路に雪崩込む。
ほとんど交通量のない道路。横を追い越す川崎ナンバーのTOYOTA。
目指す大洗フェリーターミナルまで、すでにカウントダウン。
高速を降りれば、来た来た来たぁぁぁ〜〜〜っと、心踊る。
遠くの大洗なんとかタワー。あれ、ここら辺をまがるんだっけなぁ。
「前の川崎ナンバーも一緒じゃないか？高速でも見かけたが。こいつに着いて行こう」
川崎ナンバーのTOYOTAなんだろ、なんかスパシオみたいなの。
見えてくるフェリーターミナル。フェリーはいるのかなどという無用な心配をしたりする。
フェリーはそこにいるぜ。さんふらわあつくばがよ。
出港２時間前。予定通りの到着。さすが俺。
 
乗船手続きを終え、チャリはハイエースから降り立ち、荷物を積んでフル装備。
ここで予想外な事。とっても寒い。北海道にと長袖を着込んできたが既に寒い。この先が不安。
フェリーターミナルに響く「乗船開始」のアナウンス。いよいよだ…。
僕はこの瞬間がいつも好きだ。船に乗り込む。電車や、車とは違う雰囲気。
大きな船体に乗り込めば、そこはひとつの生活空間。
飛行機のように大きな体だが、スピードはいたって旧世紀。のんびりのんびり。
数ある移動手段の中で、船旅ほど「旅」と言う言葉がぴったり合うものも無いんじゃないだろうか。
 
ふらりふらりと見送りの子連れファミリーぼぼ様脇をかすめる。
僕を指刺し続ける赤ちゃんをちょっと嬉しく感じて、別れを告げる。
あぁ、僕は行ってくるよ。いつか、みんなで走りましょう。
 
ふらふらふらぁっと、チャリは車の乗船スペースに並ぶ。
この時期、夏に比べればガラガラなフェリーである。車の数もポツリポツリと少ない。
その脇を擦りぬけて、フェリー車両用甲板の入口前で待機。ぱっかり口を開ける車両甲板。
車を数台入れ、チャリを入れる。甲板内もやはり空いている。チャリも２台ほど積まれている。
どこかにチャリダーが二人いるようだ。軽装なチャリではあるが。
しかし、既にチャリは搭載後でチャリダーは確認できず。残念…。
 
そして船内。ゴロゴロゴロ寝和室でのんびりのびのび。
さんふらわ〜♪さんふらわ〜〜♪とかすかに何かが聞こえる船内。
和室はそこそこに人が入っている。どれも、おばちゃんの旅行組という感じでチャリダーらしきはいない。
お兄さんすでに眠く、旅日記書くスタミナもごくわずか。
明日は、１日船の上。すでにねむねむの私は、今日の旅日記のパワーアップを明日に托し眠ることにする。
 
いつもと違う金曜の夜を迎える俺がそこにはいた。
出港まであと３０分。起きていられるか。いや、寝てしまいそうだ。（23:30）

※継ぎ足し完了。（02/10/12 14:54）

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