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03/ 8/ 9 Sat
4時の目覚めはあまりにも自然で、何の障害もなかった。
すぐに気になる空模様…。
今回は、あまりに洒落にもならない台風がいる。
滅多に電源の入らないテレビがつく。
台風は大阪湾に突入。淡路島付近にそのくっきりした目玉を置いている。
予想進路は、大阪を抜け琵琶湖北岸、そして日本海へ。
その後、秋田付近へ再上陸、津軽海峡を抜け、北海道へ向かうコースをとっている…。
…ん?秋田?津軽海峡?…
これから私が向かおうという東北地方にくるくる10号は向かおうというのだ。
恐らく、どこかで温帯低気圧に変わると思うのだが、少し不安である。
ま、いつものことか。
毎回、旅の季節になるといくら高気圧が張り出していようが、いつの間にか低気圧に囲まれる。
随分、慣れたもんだ。おかげで、ウェットコンディションでのチャリ走は苦でもない。
東京の空にはまだ、雨粒はない。朝4時のぼやけだした東の空にどんより雲が見え隠れしている。
木々が少し、ざわついている。風が強いのかもしれない。
天気は曇り。テレビに映る和歌山付近は大嵐。
さて、今回の旅立ちは朝早い。まだ誰も起きていない暗闇の廊下を歩き、外に出る。
外は新聞配達のバイクが暴走を始めている。うっすら明るくなってきている。
私が外に出るとなんとなく雨が降ってくる。なんとなく。
これも俺の力か…
駅前のコンビニで普通にジュースとおにぎりを買い、朝の駅に立つ。
どんより雲が、強い風に押されて流れていく。
朝1番の電車が滑るように入ってくる。それは、朝の通勤風景に似ている。
今回の夏は、そんな普通に始まってみせる。(05:14)
上野の地下4階ホーム。実に奥深い。
チケットはえきねっと予約し、すでに購入済み。改札無事通れて一安心。
朝6時前なのに、すでに新幹線の自由席を求めて並んでいる人がいる。
こちらははやて。全席指定だから並ぶ事も無い。
向こうのホームに2階立て新幹線MAX号が入線。でかい…。
6時過ぎ、はやて号入線。東京が始発なので中には人が乗っている。
どきどき。東北新幹線に乗るのは始めてだ。
窓側の席。誰が言ったか、滑るように走り出すHayate Super Express。
大宮を過ぎたあたりから、小粒の雨が窓を叩き出し、宇都宮を過ぎたあたりで、窓の視界を奪った。
霧がかる車窓の風景。
今、ちょっと長いトンネルを抜けて福島を通過する。
視界に入る範囲で、どんより雲はどこまでも続いている。
雨のナカジマ。そう思う事にする。(07:30)
盛岡を通過し、もう次は八戸だそうだ。
さすがに恐るべきスピードで直進している。これが200km/hを超えるスピードか。
空模様は相変わらずどんよりしている。
しっかし、盛岡〜八戸間はトンネルばっかしだなぁ。耳がつまるよ。(09:01)
八戸に滑るように到着。定刻9:10。早すぎます。
まだ出来たての駅に降り立つ。とらえず、はやての写真っち。
輪行青年発見。サイドバックをしょっている。う〜む。なるほど、そするという手もあるなぁ。
しかし私のはしょえない…。
広々とした駅をてくてく歩く。そばやはやて。
駅前ターミナル。随分とこじんまりするもんだ。お、雨降ってないねえ。
それでも、去年の夏よりは随分と奇麗になったか。
さて、私はこれからヤマトの営業所を目指さねばならない。
バスで最寄りまでいけると良いんだが…。バスねぇなぁ。
市営バス、下北バス、十鉄バス、南部バスとなんだかいくつかあってよくわからん。
面倒なので、歩く事にする。
とぼとぼと。
歩き出すと、雨が降ってくる。まぁこんなもんか。
しょうがなく今回は用意した傘をさす。とぼとぼ歩く。
方向はこっちかな。てくてく。
やはり、八戸と言っても日本は日本。さすがに大きく異なる文化ではない。
タイを歩いたあとだから、なおさらそう思えるのかもしれない。
とぼとぼ歩く自分の思考。なんだかとても足が痛い。
カラオケスナックみたいな看板があって、「マイク抜群!コンパクトデスク」だそうだ。
マイク抜群はいいとしよう(なかなかツッコミどころだが)しかし、コンパクトデスクってなんや。
机のことか、それともCDのことだろうか…。
あ、雨が強くなってきた、雨宿りっと…。
そんな調子だからなかなか進まないのである。
ヤマトの営業所まで5キロくらい。とぼとぼ散歩がてら歩いて1時間ってところだろうか。
のんびり歩いていてもいずれ到着。無事、輪行姿のチャリとご対面となったわけだ。
ヤマトの軒先をちょいとお借りして、組立を開始する。
久々に組むのでなんとも緊張するなぁ。ヤマトの人が忙しそうに動きまわっている。
ちなみに輪行袋は借り物なんすけど、ジッパーが壊れてました…。無理に積め込んだせいで…。
なんと報告したらよいやら…。
と、ぶつぶつ言いながら黙々と組み立てます。
今回は旅の荷物も送っていたので、すべてここでセットします。
せっせっせっせ。ん?これはどうやって…。あぁ〜こっちが先かぁ。あれ?ずれてるなぁ。
…2時間ほどかかってようやく準備完了。
相変わらず空は降ったり止んだりのようだ。
ヤマトでトイレを借りて、いざ出発。時間は12:00をちょいまわったぜ。
不安を背負いながら走ります。自分が組んだだけにいつ、どこが取れるかわからない。
うるうる。不安だなぁ。
少し走るとサークルK発見。腹もへったし、食料がまだ無いのでおにぎりでも買う事とする。
あたためたおにぎりがおいしいのぉ。コンビニの軒先は、雨が急に強くなったり弱くなったり…。
気温は19℃。夏にしては涼しすぎる気候。だからHOTおにぎりがおいしい。
ここで、大阪情報局より台風情報入る。ありがてぇが、やべぇ。
ここにきてこの天気の現況は台風10号様である。
今頃大阪を過ぎ、日本海に出ようかという勢いだ。
こ奴がそのまま北上すると、私とはち合わせ。ことは重大だ。
そんな感じで考えてもしょうがないから、走ります。
とりあえず、台風を凌げそうな場所を探して。やっぱり、今晩はテント泊なのだろうか。
初日から宿伯は抵抗がある。しかし、台風が直撃
しては、テントもろとも北海道も夢ではない。
まっすぐ走るとそこは、去年の夏と同じ景色。フェリーターミナルへの交差点。
…は、とりあえず無視して先をいきます。
多分、今日辺りはフェリーも欠航なんだろうなぁ。
そうすると、あのターミナルが人であふれて大変そうだ…。
道路は、八戸の港湾施設の横を通過していく。工場群が並ぶ。
なんだか薬品くさい港湾道路をダンプとかが爆走していく。
私に水かかりますって…。
バス停!!いいねぇ。屋根あるし、かこいもあるし。冬寒い東北なら結構ありそう。
今夜の宿にするなら理想的だ。よっしゃぁ探すでぇ。
海沿いに八戸から北上。
途中、なんだか狭い道に迷い込む。すると、どこからともなくおじさんがあらわる。
「タイフウクッデヨ。」
と、言葉の一部しか理解できません。
それでも、なんとなく道を聞いて進みます。
しばし行くと国道と交差しました。しこしこ走るしかないです。
しかし、お店もバス停もないなぁ。スーパーで食料を買い出ししないと。
そんなこんなで三沢まであと数キロの所まで来てしまった。
海浜公園が近くにあるようなので、ちょっと脇道に。
たしかに海だ。どんより…。このタイミングでは雨があがっている。雨が凌げそうな建物はない…。
一人のおじいちゃんが語りかけてくる。
僕は、自分が台風に備えて宿を探していることを伝える。
「うちはばあちゃんと二人だけだけど、泊まってけよ」と言う。
「山小屋みたいなボロ屋だけどよぉ」
しかし、それは気持ちだけいただくことにします。
なんせ、まだ走れる時間ですからねぇ。雨あがってるし。
おじいちゃんに別れを告げ、走り出します。
走り出すと、とたんにぐずってくる雨。やっぱり、じいちゃんの遺言は聞いておくんだったか…。
道端の小さな公園の屋根の下で休息としました。
空は降ったり止んだりの雨。ゴロンとしたら、眠っていた。
降り込む雨で目が覚める。
おいしょっと。今日は雨だなぁ。ラジオつけると台風情報。
どうやら、台風は山形付近にいるらしい。っつーか、一度日本海に抜けた後に、再上陸して東北へ縦断!?
こちらにもくるのか?
となりにある小学校の
入口で、何気無く空を見て雨宿り。
閉じられた扉越しに下駄箱が見える。数えるほどしかない。
雨の音を生むグランドを眺めながら、今日はここらへんで停滞だなぁ。
ほうきを拝借して、ちょっと足元に落ちている虫の山をはきはき。
光りにつられて虫がやってきて死ぬんだろうか…。すごい量の虫だ…。
5時を回ってしまったので、とりあえず飯。
何もない。米しかない。しょうがない米だけ食おう。
水がない。行きに買った500mlのペットに水をくんで、それで米を炊く。
明日の朝は、もう一度汲んで来ないと足りないような気がする。
おかずもなしに米だけ食う。ま、米はエネルギーの元だけどな。
小学校の軒先をお借りしてテントをたてる。ちょっとテントの頭がはみ出る…。むぅ。
悔しいが、もう他にやる気が無い。これで許してもらおう。
風避けになるかもわからんが、とりあえず今日はここまで。
こんなんで、無事台風をやりすごせるのか?
不安いっぱいである。
6時のチャイムと共に、雨足がなんだか強くなった気がする。
その後、町内放送みたいのが聞こえるが、僕には聞こえない。聞こえない。
暴風警報なんて聞こえないぞぉ。
あ、淋…なんとか小学校だったかな。職員の方、ちょっとお借りします。(19:36)
今日の走行距離は30kmくらいです。
徒歩をいれると35kmくらいです。
あ〜あ、靴下濡れてるよ…いやだなぁ。
テント内で日記を書いていると、外から犬に吠えられた。
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