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［身支度編］

2002年のGW。

箱根で始まった僕のワールドカップ日韓大阪共同開催が閉幕した時、いつも旅の後で感じる満足感とは違う「次への思い」がフツフツと湧き上がっていた。
高ぶる気持ちを抑えきれずに、通勤用の自転車を獲得(弟から強奪)しひたすらに走る。
このチャリは速い！！（ちなみに三陸ツーリングはいつものボロチャリの方で行く）
また、GWと夏休みの間を埋めるかのような、ツールド秩父なるツーリング大会の練習へも参加。
登りの辛さというか、魅力を感じて、箱根の登りを思い出す。

あぁ、自然。あぁ、道が俺を呼んでいる…。
そんな思いで、去年のふがいない夏を思い出す。

三陸…。

リアス式海岸が作り出す隆起激しい海岸線。登っては下り、登っては下りのくり返し。
あの登りを見上げ、ため息と共に帰りの時刻表を調べたあの時。

チャリダーの聖域である北海道へも行きたい。だが、しかし！！
僕は三陸に敗れている！！敗北の三陸！！
だから今年も走ろう。あの地から。

…と、自分の心の中で決めていたが素直に事は進まない。
大阪の潤氏(九州編・箱根編参照)が、今夏も無事旅に出れるとの連絡が入る。

彼の目的地は北海道、小樽。戸籍謄本(戸籍抄本？)を取りに行くとかなんとか。
ＧＷでは九州で知り合った者同士が、箱根峠の上で再び出会うという少しの感動を得た。
この夏もその再来なるか！！

「い、いや…私は三陸を制覇せねばならない。だから僕は、三陸を越え北海道に向かおう。」
「追い着ける自信は到底ないが…。どこまで行けるか、挑戦してみる！！」
気持ちは三陸だが、迷いは残る。時刻表片手に北海道への電車を探る。
なんとか、北海道へ行けないこともない…。迷う心をもてあそぶ自分であった。

直前のある日、準備はそこそこに進む。
正月の九州で、強風にあおられ折れ曲がったテントのポールを新規に購入。
寝袋を夏用の小さなものを購入。冬用ではでかすぎて、ハッキリ言って邪魔である。
食料は現地調達。着替えは直前に準備。チャリはいつでも輪行状態。

そんな出発一週間前に来て、通勤用チャリがピンチ。パンクしまくり。直らない状態に陥る。
直しても別のところに穴があく。タイヤの中に何か針みたいのが隠れているんだろうが、それが探せない。
途中まで走り、パンクに気付き電車に乗りかえる…。
前夜に見たいテレビがあったのに寝てしまった悔しさに輪をかけるようにテンションが下がる。
こんな日の電車通勤は苦痛以外の何モノでもない。

早く解決せねば、私は失われる！！

何事も、一筋縄では行かせてくれないようだ。
それとも、この一週間はゆっくり休めと言うことだろうか。（プラス思考が働く）
だがしかぁぁし、パンクごときに負けてはいられない。（負けず嫌いが働く）

様々な思いを含み、今年も走る。自然の待つ東北三陸の地へ。
ちなみに、出発３日前になっても帰りのルート(方法)を考えていないのは内緒の話である。